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劇団員インタビュー企画

​第一回 小太刀賢

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第1回は、小太刀賢!

小太刀は主宰・目崎と同い年。劇団員の中で出会ったのも一番最初でした。

出会い、そして劇団員になるまでに何があったのか、などなどを聞いて行こうと思います!
1時間にわたるロングインタビューです!


小太刀賢と目崎の簡易年表


2009年 劇団銀石「写楽コンプレックス」で一緒の座組になる。
2010年 小太刀、就職。
2014年 劇団ロンドン坊やを主宰する小太刀と再会。
2015年 たすいち短編集「宴」にてたすいち初出演
2015年 夏、第21回本公演「MARBLE‼」にて本公演初出演
2016年 駄目なたすいち「ギロチン伯爵と七つの秘宝」に参加
2016年 第23回公演「魔族会議」で入団。

目崎  インタビュー企画1回目、小太刀賢さんです、よろしくお願いしますー


小太刀  よろしくお願いします。
 

目崎  演劇をやっているこだっちは僕もみんなも知っているけれども、「なんで?」「どうして?」「なんでやってるの?」とかそういうことを聞いていけたらな、と。

・演劇を始めたきっかけ

目崎  では、早速なんですが、演劇を始めたきっかけは?
 

小太刀  僕は演劇を大学のサークルで始めたんですけど、もともと小さい時から「何かを演じたい」みたいのはあったと思うんですね。でもやる場所がなかった。高校の演劇部も、そんなに熱心にやってるところじゃなくて、演劇って今までの人生でなくて。やったことないから演劇やってみようかな、みたいなので大学のサークルの部室にいってみて、そしたら同期が面白い奴らだったので始めちゃった、みたいな。なんとはなしに。
 

目崎  面白かった同期たちは今は?
 

小太刀  大体は就職しちゃった。でも、演劇の会社に入ったり、劇場で働いている人もいるし、いろんな形で関わってる人はそれなりにいたりするんだけど。
 

目崎  サークル名は出しても大丈夫?
 

小太刀  大丈夫。立教大学のテアトルジュンヌ。

目崎  じゃあいつ、「ずっと続けていこう」ってなったの?
 

小太刀  これもなにか、別に明確なきっかけはなくて。大学の3年くらいから所属するサークル以外にも出るようになって、単純に演劇を面白いって思って、「あ、こんなにやりようがあるんだ」って知ったからかな。
 

目崎  ふむふむ。客演をし始めた理由は?
 

小太刀   立教大学の別の演劇サークル「しどろもどろ」が、シアターグリーン学生芸術祭※1 に出るってなって観に行って、それでせっかくだから勉強のために他の団体も観ようってなって、当時あった劇団銀石の「ナスカ」を観て、すーげー面白くて。
 

目崎  あ、それ俺も観た。確か佐賀モトキ※2 が出てたから
 

小太刀  たまたま当時、バイト先で一緒に働いている女の子が桜美林の学生で、GALA桜美林の「素晴らしき青春」※3 の制作をやってるって言ってて、オーディション来ない?って。
 

目崎  桜美林、制作の授業とかもあるもんね。
 

小太刀  でもオーディションにはいけなくて(笑)でもそうしたらテアトルジュンヌの公演を佐野木さんが観に来てくれてそこで話して「出ちゃいなよ」って。
 

目崎  佐野木さん若干ジャニーさんみたいなところあるよね(笑)
 

小太刀  当時の出演者もすごかったんだよ。アガリスクエンターテイメントの津和野とか、クロムモリブデンの小林さんとか、銀石のマッチュさん、浅利ねこさん、柿喰う客の永島敬三とか。
 

目崎  桜美林もなかなか黄金世代感がある。なんか、す-ごいこう、世の演劇のいろんな試みがことごとく成功した例だねこだっち(笑)
 

小太刀  そうだね(笑)
 

目崎  だって、シアターグリーンの学生演劇祭があって、桜美林の素晴らしき青春があって、横のつながりができるっていうか。
 

小太刀  学生演劇祭出てないし、素晴らしき青春もオーディション受けれてないんだけどね(笑)
 

目崎  で、僕とこだっちが出会った、銀石の公演「写楽コンプレックス」と。

・一時・就職へ―――

小太刀  で、そのまま続けるのってなんか違うなって思ってしまって。なんだろ、「働くことから逃げてるのかな自分」みたいに思ってしまった部分があって、就活をして、卒業した後働いてみて、働いててもどうしても演劇やりたいってなったら、それは本当に演劇やりたかったんだなってことで、そん時はやめようって。
 

目崎  仕事は何を?
 

小太刀  小売関係。販売する、僕はその、婦人服と家具とか雑貨を売る会社の店舗にいて販売員をしていた。
 

目崎  成績のほどは?
 

小太刀  普通かな(笑)可もなく不可もなく
 

目崎  最近のこだっちの好感度からするとバリバリ売ってそうだと思って(笑)就職が小売系に行った理由は?
 

小太刀  就職先がやりたい仕事だった。将来的に雑貨屋さんを開きたくって。
 

目崎  へぇー!初めて聞いた!
 

小太刀  雑貨屋やりたくて、演劇やってたから、人と接することはできるなって思って、接客業をやろうと思って。販売か飲食かって、それしか受けなくて。
 

目崎  なんで雑貨屋?
 

小太刀  なんでだろう・・・でも小さい時から。母親が雑貨好きだからかな。
 

目崎  たしかに、こだっちって持ってるものいちいちおしゃれだもんね。雑貨屋の夢って、どうなったの?捨てたの?
 

小太刀  いや。
 

目崎  おお。まぁ、でもそうだよね、雑貨屋って、ナメてるみたいな発言だけど、スペースとやる気があればできる気がしちゃうもんね
 

小太刀  変な話ね、お金がありさえすればね。
 

目崎  雑貨を創りたいの?それともいいな、って思う雑貨を仕入れて売りたいの?
 

小太刀  そうだね、売りたいって感じだから、買い付けたりしたいな、とか思っていた。
 

目崎  小太刀ブランド。たすいちでもやればいいんじゃない?
 

小太刀  0から1を作ることが得意なわけじゃないから。中田くんみたいに、アイテムを考えるってあんまりいかないんだよね。
 

目崎  これいいじゃん、って見つけるっていう?
 

小太刀  そうだね。
 

目崎  実際、何年くらい働いてたの?どれくらい働いてたの?
 

小太刀  1年半。
 

目崎  すぐ戻ってきちゃった
 

小太刀  すぐ演劇やりたくなっちゃった(笑)

・演劇への復帰、劇団主宰時代~そして目崎との再会

目崎  就職を終えて、戻ってきて、一時期劇団を主宰しているよね?就職を終えてすぐ?それとも?
 

小太刀  一年くらいフリーでやってて、それから一緒にやりたかったサークル同期の人が、色々タイミングが合って、巡り巡って、じゃあつくっちゃう?って。
 

目崎  てことは、汐宮さんもジュンヌ?
 

小太刀  いや、彼女は一回目の時にオーディション来てくれて、すごくいいなってなったから。
 

目崎  汐宮さんっていうのが目崎と小太刀をつなぐ重要な役割を担っているからね。名前だしていいのかと思ってたけど、外せないですね。
 

小太刀  そうだよね(笑)

【目崎が演出を担当した公演に汐宮さんが出演しており、当時劇団員だった汐宮さんが小太刀と目崎を繋いでいる。】

目崎  その劇団、「ロンドン坊や」の由来は?
 

小太刀  これも、言っても「はぁ?」ってなるんだけどさ(笑)
 

目崎  うん(笑)
 

小太刀  男三人で作ったんだけど、飲みの席で、その時の俺のいでたちが、ロンドンっぽい格好をしてて(笑)
 

目崎  (爆笑)
 

小太刀  どんな格好か忘れたんだけど
 

目崎  きになるな(笑)
 

小太刀  「いいねぇ、ロンドンだねぇ、ロンドン坊やみたいだねぇ」って言ってて
 

目崎  まさか
 

小太刀  そのあと、劇団名を決めようってなった時に、さっきのでロンドン坊やでよくない?って(笑)
 

目崎  すげえなぁ。そういう決め方夢あるよなぁ。
 

小太刀  ノリだよね。それ以上には何もない、みたいな。

目崎  その後、解散?たすいち入る前は?The Park ※4 は別?
 

小太刀  ロンドン坊やを一年お休みしてみよう、ってなって。やることが変わってきて、その時に何かしたいなって思ってThe Parkを始めてみて。その後フリーでやりたいって思って主宰だったのに抜けて(笑)
 

目崎  何年の話なんだ?2015?だめだその辺の西暦が何もわからない。魔族会議っていつ?
 

小太刀  2016じゃない?
 

目崎  15でフリーになりたいってなって抜けて、「宴」が最初?
 

小太刀  そうだね
 

目崎  「宴」があって、「MARBLE!!」があって、「ギロチン伯爵と七つの秘宝」があったのか。
 

小太刀  そうそうそうそう
 

目崎  この辺俺のいろんな思惑があったんだよね
 

小太刀  そうなの?
 

目崎  「キズツクキカイ」は観てるんだっけ?
 

小太刀  観てるね。
 

目崎  この辺は中田くんとも話さないといけないんだけどさ、中田くんは「キズツクキカイ」呼ばれなかったことを残念がってたんだけどさ、当時俺は「中田くんはたすいちに合う人じゃない」って思ってて(笑)
 

小太刀  (爆笑)
 

目崎  ただ中田君のことをいいねぇ、って思ってたからまたやってみようって思って呼んだのが宴で。同じようにこだっちも就職前は良い役者さんだって思ってたんだけど、一回演劇から離れてるもんな・・・っていうブレーキがあって、じゃあ一回短編でやってみようってことで「宴」に呼んでみたんだよね。短編で呼んで本公演でってことで「MARBLE!!」に出演してもらって。次の「ノンタイトル」がすごいごたごたしてて、迷惑をかける気がすごいして、歳近い人呼びたくない!って思って。年上、肉丸さんだけだからねあの公演。
 

小太刀  肉丸さんは「MARBLE!!」出てないしね。
 

目崎  そうそうそう。なんで俺あの時肉丸さん呼んだんだっけなぁ。まぁ、そんないろんな思惑が、打算があった。
 

小太刀  団体としてね、動いてた時だったもんね
 

目崎  この場でも話せないようなことがたくさん(笑)

・たすいちと小太刀賢

目崎  たすいちになぜ入ったんですか?
 

小太刀  えー・・・これ、今まで誰にも言ってないと思うんだけど・・・
 

目崎  お、そういうのですよぉ~
 

小太刀  俺なんで、就職しても演劇を続けようかな、って思ったきっかけ、実はめっちゃんで
 

目崎  お、おぉ!こ、これはいい企画だ!!!
 

小太刀  めっちゃん覚えてるかわかんないんだけど、「写楽コンプレックス」の打ち上げ終わりかな?電車で帰ってる時、たまたま、ホームで一緒になって、「芝居をやめようと思ってるんだ」って言ったら「え、もったいない」って言ってくれたんだよね。
 

目崎  無責任な(笑)
 

小太刀  (笑) もったいない、俺は好きなのに、って言ってくれたのかな確か。あ、俺のことをそう思ってくれる同世代っているんだ、って。それまで自分のサークルの周りしか同世代っていないから。銀石は一個上だし。
 

目崎  そうかー。今となっては、一個差って誤差と思えるけど、「写楽コンプレックス」の時って、2010年とかだもんね。(※2009年でした)
 

小太刀  ってのがあって、「あ、やっていいんだ」って自信がついて。
 

目崎  なるほどなぁ~、ナイス。ナイス俺。もう今はさ、言えないよね
 

小太刀  (笑)
 

目崎  いや言うけどさ、責任が伴うよね。このころって12か月連続公演より前の年なんだよね。ちょうど俺も、一回公演が上手くいかなくって、当時の固定メンバーが消えた時なんだよね。
 

小太刀  っていうのがあったからさ、めっちゃんのこともたすいちのことも知ってるし観てるし、そういうのがあって、演劇から離れて、久しぶりに観た演劇が「キズツクキカイ」だったんだけど、すげー面白いなって思って。だから「宴」のお話頂いた時に出たいって思って。でもなんで入ったかって言われると、作品が好きだからってのはあるんだけど、なんだろね、なんなんだろ、難しいよね。なんか、「ホーム」がほしいっていうのは一つあったというか。自分の居ていい場所みたいなのはあったし、あとは、役者をやってて、自分だけで頑張ればいいんだけど、同世代で頑張ってるめっちゃんを見て、めっちゃんと一緒に頑張りたいっていうかめっちゃんのために何かしたいって多分思ったんだよね。
 

目崎  ありがてぇ~。ってそういうリアクションじゃだめだな(笑)
 

小太刀  (笑)これだけ頑張ってて、で、まぁその場も好きだし作品も好きだし、お声がけいただいたなら、やらない手はないなって。単純に楽しそうだし。
 

目崎  でもそれは本当にラッキー。だって同世代の主宰ってたくさんいる、世代だから、巡り合い方っていうか。この世代、主宰めっちゃいるから
 

小太刀  だよね。

目崎  今後の展望は?
 

小太刀  ・・・難しいね(笑)
 

目崎  (笑) どうだろう、どうなっていきたい、何をやっていきたい、みたいな
 

小太刀  それこそね、やっぱり、役者だからさ。これで食っていきたいってのはどうしてもあるじゃない。テレビに出たいとか有名になりたいとかは当然まだあるし。でも、よくよく考えたらそういう活動してないし。事務所に入るとかしてないし。そういうのに気持ちが向かないのはなんでかなって。舞台が楽しいってのあるけど、たすいちで売れたい。っていうかたすいちをどうにかしたい、っていう。それこそキャラメルボックスみたいにしたいってのはあったし、そういう感じかな。「どこまで行けるんだろう」みたいなのが楽しいっていうのはある。
 

目崎  うんうん
 

小太刀  それにずっと関わっていきたいって感じかもしれない

 

目崎  役者としての個人目標みたいなのはある?
 

小太刀  難しいね、やっぱ、なんだろ、食っていきたい、かなぁ。それ以外に出てこない。
 

目崎  良くも悪くも演劇やってたら楽しいからそれでいいっていうのがあるよね。
 

小太刀  変な話、たすいちの公演やってるだけで、満足はできてしまう。その時は。
 

目崎  どういう役者になりたいですか?食っていきたい有名になりたい、とは別に、こういうことができるようになりたい、みたいな
 

小太刀  そうだねー、そういうのが今のところ薄いのかな、そういう気持ちが。通り一遍の答えしか出てこないのかもしれない。オファーの段階(別の劇団がオファーする人を選ぶ段階)で名前があがる人になりたい、とか、たすいちといえば小太刀、小太刀といえばたすいちってなりたいってのはあるけど、役者としてっていうと、漠然とだけど、エンタメを極めたい。
 

目崎  漠然としてだけど、すごい表題みたいなの来たね
 

小太刀  会話劇とかはさ、もっとできる人がいるっていうか、会話劇とエンタメを分けるっていうのはどうかと思うけど
 

目崎  にしては会話劇もできる側にいるよね
 

小太刀  (会話劇を)極められないというか、どうしても体が動いちゃうし(笑)根が多分、エンタメっていうか「見せる」っていうのに思考が動きやすい。これは多分得意ってことなんだと思う。得意だし好きなんだと思う、そういう作品とかやることとかが。だとしたら、そういう部分では誰にも負けたくないな、っていう
 

目崎  おぉー。じゃあ・・・歌とダンスもやらなくちゃね!
 

小太刀  そうだね(笑)

目崎  ちょっとこれは連載企画にしたいですね。時を経たらまた答えが変わってくる気がする。時を経るとっていうか、他の人のインタビューしてたら、「あ、これもあの人に聞きたい!」ってのが出てきちゃう気がする。

目崎  ここはたぶん使わないと思うんだけど、何かでね、その人に物語があると応援しやすいっていうのがあると知って。だからインタビュー企画をやってみようって思ったのも、もっと知ってもらって、応援してもらおうと思って。(劇団員を)売り出そうとしている。で、そういう点でいうと、こだっち、「物語」の波が小さいよね(笑)
 

小太刀  そうだね(笑)
 

目崎  エンタメを極めたいから、エンタメ劇団のみなさんオファーお待ちしております(笑)
 

小太刀  自分の弱点としても、そういう「強い何か」がないのがよくないのかなって
 

目崎  その辺が俺とこだっち同じなんだよね。俺も、じゃあなんだ、ってなった時に答えられなかったりする。そういう意味で肉丸さんの加入が大きくて。
 

小太刀  わかる。
 

目崎  俺が綺麗事で逃げてた部分がね、すごく言葉になってくるから、痛いところもあるし、「そうそうそう!!」って思うところもあるし
 

小太刀  そうなんだよね。それこそさ、たすいちのことで言ったら、誰かをオファーしようってなった時とか、劇団員にしたい人がいるか、とかさ、前、めっちゃんが言ってたように、みんなで上がっていきたいなってすごい思うんだよね。みんな劇団員になったらいいじゃん!みたいな。
 

目崎  うんうん
 

小太刀  このメンバーでどんどん公演を打てたら楽しいじゃん、とか、みんなで強くなれたらすげーかっこいいじゃん!とかあるんだけど、でもそういうことじゃないんだよねきっと。
 

目崎  そうー、なんだよね、打算が入ってきちゃうんだよね。だからなんかまぁ、ミーティングみたいになってきてるけど、劇団と劇団員の関係にもいろんな形があっていいんだろうなって思うね。

・小太刀とたすいち劇団員

目崎  劇団員についてどう思いますか。
 

小太刀  (笑) すごいね、怖ー。
 

目崎  不公平があっちゃいけないからね、全員に一言ずつお願いします
 

小太刀  じゃあ誰からいこうか
 

目崎  石井じゃない?
 

二人  (笑)
 

小太刀  啓太は~、啓太は今いないけど、啓太はたすいちを将来引っ張ってく存在になってほしいと思ってたんだよね
 

目崎  ね。
 

小太刀  今俺と中田くんしか男がいないじゃない。俺よりも中田くんよりも絶対に啓太はたすいちの主人公だと思ってたのね。啓太がいるだけで、物語を引っ張っていけると思ってたから。けどそういう状況じゃなくなっての今、いい意味でたすいちの良心なのかなって。離れたからこそ、啓太がどうかわかんないけど、俺からするとずっとたすいちでいてくれる人。俺らがこれからどんどん続けていった時に、昔やってたことと違うことしたりとか、あの時の志と違うことしてるかもしれないっていう時に、啓太に会えば、その当時に戻れるっていうか。そういう存在な気がする。
 

目崎  さぁ、じゃあ次は
 

小太刀  サディ。サディは、俺が入った時は、劇団員がサディしかいなかったじゃない。やっぱりたすいちといえばサディって感覚がすごい強くて。演技の中心かなって。演技面の。
 

目崎  ね。
 

小太刀  とりあえずサディ見とけよ!みたいな。
 

二人  (笑)
 

小太刀  客演する人はとりあえずサディ見たらいいし、俺も何かする時に、サディを見て、「あ、そうだそうだ」みたいな。それこそ初心に戻れる部分はある。かな。逆にいうと、劇団の中心、めっちゃんを除いた中心は中田くんだなって思ってて。
 

目崎  ほうほう
 

小太刀  っていうか中田君に中心にいてほしいっていう。


目崎  なるほどね
 

小太刀  団体の運営じゃないけど、引っ張ってほしいっていうか、その。一番フラットにいやすい人なのかなって思って
 

目崎  確かに確かに
 

小太刀  中田くんがどしっといていただけると、こっちも遊びやすいっていうか色々言いやすいっていうか。最終的に、とりあえず中田くんに戻ればいいやっていう(笑)
 

目崎  (笑)
 

小太刀  だから、そうだね、劇団の中心かなって思ってる。桃子。桃子は、劇団とか関係なく、良心だなって思っていて。・・・・・(笑)
 

目崎  ・・・・(笑)なんか笑っちゃうね
 

小太刀  一番人間的というか。演劇とか芝居、舞台、劇団ってなると、人間的じゃないこと、なんていうか心の部分じゃない頭で考えなきゃいけないこととか、しなきゃいけないのに、桃子がいると「いやそれ違うんじゃないですか!」ってなるじゃない。演劇的には桃子ちょっと・・・ってなる時もあるけど、普通に一般的に考えると桃子が言ってることが正しくて。一般の感覚をすごい持ってるなって思う。
 

目崎  確かに確かに。
 

小太刀  肉丸さんは、さっきのめっちゃんの話と似てるんだけど、自分が見たくないところを見ててくれる人だなって思ってるから、どうしてもねそういう逃げがちになる、きれいごとじゃない部分を見てくれてるし言ってくれるから、単純に勉強になるし、そういう人が劇団にいてくれるのはすごいありがたい。
 

目崎  なんかね、見えてなかった道筋がいくつか見えるようになった感じするよね
 

小太刀  そうそう。なんとなくわかってたし、そうなんだろうな、って思ってたけどそこに到達するにはどうしたらいいのって思ってたところが、そうだね道筋を作ってくれたっていう人かな。梁は、梁はなんだろう・・・・
 

目崎  なんだろう(笑)特になし?
 

小太刀  (笑)梁は梁なんだよな
 

二人  (爆笑)
 

目崎  だから俺は、俺はだけどね?梁みたいな劇団員がもっと増えてほしい。中心は誰、じゃなくて、この人は役者だ!!みたいな。飛び道具って言っちゃうといけないんだけど、中田くんが中心になると、中田くんを使って攻撃しにくい時がある。そんな時に梁がいると、「いけ!りゃん!」「りゃん!(鳴き声)」みたいな
 

小太刀  そうそうそうそう、それこそターナ(魔族会議の時の役)っぽいな
 

目崎  先陣を切ってくれる感じ
 

小太刀  梁はさ、変な話、梁がすごいたすいちらしいお芝居をするかっていうと、他の人の方が良いものがあるんだけど、梁の梁らしさっていうか、そういう明るいパワフルな芝居?っていう、言葉で言えない梁らしさを、何も隠さず出せるっていう強みがある。さっき言ってた、特徴がある。まだ自分の良さがわかってない人と比べて、梁は自分の武器を何かわかってるっていうか、その強みがすごいある。
 

目崎  なるほど。

目崎  今までの作品の中で好きな作品と好きな役あります?これどうかな、気持ち悪いかな、読んでて面白いかな(笑)
 

小太刀  ん~~~~好きなのは、「魔族会議」かな
 

目崎  なぜでしょ?
 

小太刀  色々他の作品も面白かったけど、改めて映像見た時に、本当にこいつら何やってんだろ、って(笑)
 

目崎  (笑)
 

小太刀  一番理解不能で、理解不能が面白いってのはすごいなって思ったのが、「魔族会議」だった。役は、鳥武くんかな
 

目崎  「ヒラエス」
 

小太刀  「ヒラエス」
 

目崎  それはまた、なんで?
 

小太刀  たすいちでこういう役をやったことがなかったから。明るくないっていうか、飛び道具じゃない役・・・もやったことはあるけど、そのどれよりも、バックボーンを掘り下げられる役だったからかな
 

目崎  俺はてっきり道寺くんだと思ってた
 

小太刀  唯太ね。
 

目崎  彼はまた出てくるかもしれないから
 

小太刀  そしたらやりたいね、今ならまたもっと上手くできるのにって
 

目崎  石井が戻ってきたらな~シリーズ化できるのにな、肉丸さん、小太刀、石井の三人で。
 

小太刀  まぁ、1年半くらい働いたら戻ってくるんじゃないかな(笑)
 

目崎  (笑)

小太刀  めっちゃんがなんで俺を入れたのか気になるかも。
 

目崎  ああ~それはね、あ、これは俺の時かな?
 

小太刀  (笑)
 

目崎  でもね、この企画、俺が聞き手やっちゃうと俺が安全圏にいちゃうからね、目崎インタビュー回を創るべきなんだろうなって思ってる。てなると、今のメンバーを入れた理由とか言ってもいいかもしれないね。
 

小太刀  確かに、一人一人どう思ってるかとかは聞きたいかも。
 

目崎  ね、それはね、あるよね。もしかしたら超打算かもしれないけど(笑)


小太刀  でもその打算が解った方が動きようがあるかもね。
 

二人  (笑)
 

小太刀  中田くんとか、良く入ったと思う。今でこそ(いるのが)普通だけど、結構な衝撃だったよ(笑)
 強くなった、つええ、っていうか。  

 

目崎  中田君に色々聞けるのが楽しみですね。


終始なごやかなムードでありつつ、時には熱く、劇団・集団への愛に目を輝かせながらのインタビューとなりました。
ありがとうございました!

【目崎の偏見による解説】

※1 シアターグリーン学生芸術祭
池袋にある劇場、シアターグリーンが毎年行っている、学生劇団のお祭り。話題に上がっている劇団銀石がvol2、たすいちはvol3に参加している。学生劇団同士の横のつながりを広げるための場にもなっている。

※2 佐賀モトキ
たすいちの旗揚げ公演に出演してもらっていた女優。現在はstraw&berryに所属。

※3 GALA桜美林「素晴らしき青春」
桜美林大学の、何だろう、お祭り…?
その中で、桜美林の学生劇団の演出家が演出をし、桜美林に関わらず学生を集めて公演を行っていた。覚えている限りでは、柿喰う客の中屋敷さん、銀石の佐野木さん、範宙遊泳の山本くんなどが行っていた。まだあるのかな?

※4 ThePark
小太刀賢が脚本家に書き下ろしてもらい、演出を担う演劇ユニット。たすいちや小太刀のエンタメ性とはまた違って、しっかりとした会話がベースにあったように感じている。別にTheParkの活動をたすいちとして制限してるわけじゃないので、いつかまたお目にかかれる日がくるかも?

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